【歌詞の意味】Official髭男dism「Anarchy」のここがすごい!誰もが持つアナーキーな感情とは?

【歌詞の意味】Official髭男dism「Anarchy」のここがすごい!歌詞の意味

こんにちは!

今日は、Official髭男dismの「Anarchy」を徹底的に考察し、歌詞の意味を解説します!

人間の奥底に眠る黒い感情について歌われた本楽曲。

「Anarchy」とは「無秩序」を指す英単語であり、人間の感情に潜む無秩序がどういったものなのか注目しながら、歌詞の分析を進めます。

ダークな雰囲気を醸し出す、髭男の新たな一面が見える楽曲になっています!

そんな本楽曲の魅力に、歌詞分析の観点から迫っていきます!

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映画『コンフィデンスマンJP 英雄編』の主題歌

本楽曲は、人気映画シリーズの『コンフィデンスマンJP』第3作目となる『コンフィデンスマンJP 英雄編』の主題歌として書き下ろされました。

『コンフィデンスマンJP』は主役のダー子を中心に、欲望にまみれた人間から大金をだまし取る「コンフィデンスマン」達の姿を描いたエンターテイメント作品。

人間のダークな一面について歌われた本楽曲は、欲望渦巻く『コンフィデンスマンJP』の世界観にぴったりです!

映画と合わせて本楽曲を聴くことで、より楽しむことができるかもしれません!

歌詞の意味

1番

耳障りな演説が頭の中で響いてる
がなるスピーカー垂れ流した
自己嫌悪と葛藤のリピート
「あの頃に戻りたいな」
それ以外に何かないのか?
不平不満は時限爆弾
秒読みを止める名言など持っちゃいない

Official髭男dism「Anarchy」-作成:藤原聡
大きなスピーカーと楽器

ここでは、ダークな感情をむき出しにする主人公の様子が描かれています。

頭の中には、やれ政治家だの、やれ上司だのが繰り返し垂れ流す“耳障りな演説”が流れています。

歌詞のスタートから、主人公は社会や世の中に対して不満を持った人物であることがわかります。

”がなるスピーカー垂れ流した
自己嫌悪と葛藤のリピート”

という歌詞からは、そんな不満を爆発させている様子がわかります。

気持ちを発散させる様子を、音楽を爆音で流すことに例えて表現しています。(もしかしたら、本当に爆音で音楽を聴いているのかも…)

そして、不満が爆発する中で、主人公はこんな形でしか不満を解消できない自分を嫌い、葛藤を繰り返します。

“不平不満は時限爆弾
秒読みを止める名言など持っちゃいない”

人間が持つ不満は、いつか必ず爆発します。

“「あの頃に戻りたいな」”と今を憂う中で、主人公の不満が爆発するカウントダウンが始まっています。そして、それを止める言葉など、どこにもないのです。

抜け出せ 悪循環の根強い重力を
鍵付きの部屋の中で下品なポーズ

Official髭男dism「Anarchy」-作成:藤原聡

ここでは、そんな不満を持った現状を変えたいと思う主人公の様子が描かれています。

“悪循環”とは、先の歌詞にあった“自己嫌悪と葛藤のリピート”のことでしょう。

不満がたまっては爆発する負のループ。こんな悪循環から抜け出したいと主人公は思います。

“鍵付きの部屋の中で下品なポーズ“

これは、不満が爆発したときに行う下品な行動を表した歌詞であると考えられます。

どうしようもなくストレスがたまったときに部屋で奇声を出したり、誰に対してかもわからない暴言を吐いたり。

正直他人には言えないような行動をしてしまうこと、ありませんか?

そんな行動のことを、ここでは“下品なポーズ”と表しているのだと思います。

どうかしてるどうかしてる
浮き足立った心が煙を上げる
リーダーも英雄も信じるまいと
怒れる暴徒の眼光
感情の大乱闘
治安の悪さと猿の徹夜は続く
どうかしてる 度を超してる
解りますか?
何の価値もない夜更け

Official髭男dism「Anarchy」-作成:藤原聡

ここでは、不満に満ちた心を「暴動」に例えて表現しています。

理性的には、不満が爆発したからといって、上記の歌詞にあったような行動をすることはおかしいとわかっています。

しかし、たまりたまった不満は、心の中で「暴動」を引き起こします。

“煙を上げる”は、心の中で起こっている不満の爆発を、暴動の様子に例えて情景として表現した言葉になっています。

“リーダーも英雄も信じるまいと
怒れる暴徒の眼光”

という歌詞も、心の中で起こる暴動を表現しています。

リーダーや英雄が指すものは、政治家や上司など、自分よりも発言力や決定権のある人のことでしょう。

そんなリーダー達に対する不満を、政府に怒りをぶつける国民の姿に例えています。

“治安の悪さと猿の徹夜は続く”

治安が最悪な心の中では“感情の大乱闘”が起こり、様々な考えが渦巻きます。

「猿」と表現されるように、理性のかけらもないこの暴動は、夜通し行われるのです。

そして、これらの行動は“度を超してる”ということも、心のどこかで分かっています。

“何の価値もない夜更け”は、自分の中で定期的に行われる暴動について表現した歌詞になっています。

2番

非の打ち所ひとつない
人生なんて歩んじゃない
不謹慎な言葉を日夜
きつめのネクタイで抑えたヴィラン

Official髭男dism「Anarchy」-作成:藤原聡
不満げに音楽を聴く人

ここでは、不満を持って生きる主人公や人々について歌われています。

“不謹慎な言葉を日夜
きつめのネクタイで抑えたヴィラン”

不満のない人生など誰も歩んでいないこの世の中。

理性から外れた汚い言葉を、“ヴィラン”=悪役たちは、ネクタイを結び働く今日も、心の奥底に押さえ込んでいます。

ここで言うヴィランは主人公自身のことであると同時に、不満を押さえつけながら日々を過ごす我々のこと全員も指していると考えられます。

躾のない自由はない
秩序の加護に飼われて
誇りを持った清き偽善者
傷つけたくないけど何かを噛んでいたい

Official髭男dism「Anarchy」-作成:藤原聡

“秩序の加護に飼われて
誇りを持った清き偽善者“

“躾のない自由はない”、つまり制限のない自由はありません。法律やルール、そういった「秩序」の中我々は平穏に暮らしています。

本当は不満を持っているのに、心の中で暴動を起こしているのに、です。そんな私たちの様子を表した言葉が、“清き偽善者”です。

“傷つけたくないけど何かを噛んでいたい”

これは、そんな偽善者たちの気持ちをよく表した歌詞です。

秩序を乱したり、反乱を起こしたりはしたくない。それは、自分自身の首を絞めるかもしれないから。

だけれども、不満は持ちたい。何かを否定していたい。

これらの歌詞は、秩序に従いつつも本音に揺れる私たち自身のことが表現されていると言えます。

抜け出せ この集団の根強い重力を
捨てられない粗大なイライラが爆ぜる

Official髭男dism「Anarchy」-作成:藤原聡

ここでは、1番の歌詞にあったような不満を持った現状を変えたいと思う様子を表現しています。

“この集団の根強い重力を”という歌詞から、ここでは主人公だけでなく、社会で生きる私たち全員を指していることがわかります。

“捨てられない粗大なイライラが爆ぜる”

1番のサビにもあったように、不満を爆発させてもいいことはありません。

それでも、私たちは不満を持たずにはいられないのです。

上記の歌詞にあったような葛藤の中、私たちは今日も不満を持ち続けます。

2番以降

何にもない誰も居ない
じゃなきゃ怒れない
笑わないで指を差さないで
理性の半分ない間しか狂えない
笑わないで指を差さないで
隠し通していたい

Official髭男dism「Anarchy」-作成:藤原聡

ここでは、不満を持つことを恥ずかしがる主人公の様子が描かれています。

“何にもない誰も居ない
じゃなきゃ怒れない”

あれこれと不満を垂れ流す割に、誰もいなければ怒ることもできません。

まさに「文句を言いたいだけ」な態度を持つことに対して、“笑わないで指を差さないで”と主人公は言います。

“理性の半分ない間しか狂えない”

また、狂ったように文句を言ったり不満を表現することができるのは、理性がない時だけです。

普段は甘んじて受け入れているのに、爆発したときにだけ声高に不満を叫ぶ主人公。

こういった感情に対して、“隠し通していたい”と主人公は感じるのです。

どうかしてるどうかしてる
浮き足立った心が煙を上げる
リーダーも英雄も信じるまいと
怒れる暴徒の眼光
感情の大乱闘
治安の悪さと猿の徹夜は続く
どうかしてる 度を超してる
解りますか?
何の価値もない夜更け

Official髭男dism「Anarchy」-作成:藤原聡

同じ内容の分析になるので省略します!

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考察

誰もが持つダークな感情を歌った楽曲

暗闇にいる男性

本楽曲では、不満に対して感情を爆発させる主人公の様子が描かれていました。

不満というダークな感情は、我々全員が持っていると言えます。

みんながみんな不満を隠しながら生きており、ふとした時崩れ去ります。理性で感情を抑えられなくなった時、我々はまるで「猿」のように不満を爆発させるのです。

しかしながら、むやみやたらにそれを表には出さず、我々は不満を隠しながら生きています。

この楽曲は、我々の心に潜む「無秩序」を表現した楽曲であると言えます。

私たちの「不満」の本性

そして、不満を爆発させてもどうにもならないことも、我々はよく知っています。

“傷つけたくないけど何かを噛んでいたい”

この歌詞は、我々が抱く不満の本性をよく表していると思います。

声に出したり実際に行動する勇気はないのに、心の中でだけ暴動を起こす。

全てぶち壊したいという「無秩序」を望んでいるのに、平穏に暮らす現状を変えたくないという「秩序」を守り続けています。

だからこそ、我々は不満をなかなか表に出すことができません。

これらの歌詞は非常に皮肉めいていますが、我々の持つ不満という存在を的確にとらえています。

本楽曲の歌詞を読むと、どこか図星を突かれたかのような気持ちにさせられます。

誰もが持つ感情について歌った本楽曲は共感性が高く、聴く人を魅了するのではないでしょうか。

表現の工夫「一人称を使わない」

この記事で筆者は、視点人物のことを「主人公」と表現していました。

実は本楽曲では、「僕」や「私」のような一人称が用いられていないのです。筆者は致し方なく、「主人公」という表記を使いました。

これは、本楽曲の視点人物が聴く人自身であってほしいという作詞者の工夫であると筆者は考えました。

この楽曲で歌われた不満という感情は、全て私たち自身に言えることです。

あえて一人称を使わないことで、この楽曲に出てきた「主人公」を自分自身として曲を聴いてほしいという作詞者の意図が表現されていたのではないでしょうか。

筆者の感想

マジで髭男の引き出しいくつあるんですかねえ…

こんなダークな感情を歌った楽曲も作れるとは、すごすぎます。それでいて、いやみったらしいわけではなく、かっこいい曲調になっています。

この楽曲から、髭男の新たな一面が見れたような気がします。今後も、我々がびっくりするような楽曲を作り続けるんだろうなあ。

ますます、髭男から目が離せません。

この記事の感想やご意見など、是非コメント欄までお待ちしております!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

それでは(@^^)/~~~

 

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