【歌詞の意味】YOASOBI「ラブレター」のここがすごい!大好きな音楽へ送る、まっすぐな気持ち

【歌詞の意味】YOASOBI「ラブレター」のここがすごい!歌詞の意味

こんにちは!

今日は、YOASOBIの「ラブレター」を徹底的に考察し、歌詞の意味を解説していきます!

「小説を音楽にするユニット」YOASOBIが作り出す、新たな楽曲の形。

本楽曲の魅力に、歌詞分析の観点から迫ります!

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原作は一通の「手紙」

本楽曲は、ラジオ番組『日本郵便SUNDAY‘SPOST』との共同企画である『レターソングプロジェクト』によって誕生しました。

同企画は、番組リスナーから「ありがとうをテーマとした手紙」を募集し、それを原作としてYOASOBIが楽曲を作製する、というものです。

選出されたのは、当時小学校6年生だった「はつねさん」の手紙でした。

その内容は、「はつねさん」が大好きな「音楽」に対する感謝の気持ちを述べた物で、そこには何度も音楽に救われ、いつも支えられてきた「はつねさん」のまっすぐな気持ちがつづられていました。

本楽曲は、そんな一通の手紙からすべてが始まったのです。

まっすぐな気持ちをそのまま楽曲に

本楽曲は、これまで小説などの物語作品を原作にしてきたYOASOBIにとって、新たな挑戦でもあったと思います。

物語作品にあったようなストーリー性ではなく、手紙の持つ強いメッセージ性。そんな、手紙を原作としていることならではの魅力が、本楽曲には溢れています。

「はつねさんの音楽さんへの気持ち」が、より音楽に届くように、という思いのもと作成された本楽曲は、音楽に対するまっすぐな気持ちが表現されています。

こういった、「音楽への想い」に注目しながら、歌詞の分析を進めていきたいと思います!

歌詞の意味

1番

初めまして大好きな音楽へ
ずっと考えてきたこと
どうか聞いてほしくって
(伝えたいことがあるんです)
ちょっと照れ臭いけれど
ずっと想っていたこと
こんなお手紙に込めて
(届いてくれますように)

YOASOBI「ラブレター」-作成:Ayase
ラブレターの画像

この部分では、まさに手紙の書きだしのような表現で、これから「音楽」への想いを伝えていくことが歌われています。

”初めまして大好きな音楽へ”

という歌詞は、手紙的な表現であるとともに、これが「私」にとって初めて交わす「音楽」との会話であることを表します。

”ずっと考えてきたこと”という歌詞からも、「私」が音楽に「伝えたいこと」は、常日頃から抱いていた感情であることがわかります。

そんな中「初めまして」となっているのは、想いを今まで伝えられなかったことを示しています。

その理由が、次に続く”ちょっと照れ臭いけれど”という歌詞です。

私たちも、ずっと想っていたけど、なかなか恥ずかしくて言えない、という経験がありますよね。「私」にとっては、んな風に想いを伝えられない相手こそが「音楽」だったのです。

そして、そういった恥ずかしい時、直接言えないときに使うものこそ、「手紙」です。「音楽」という無形物に対して、想いを伝える最適な手段が手紙であった、ともいえます。

どんな時もあなたの
言葉声を聴いてるだけで
力が湧いてくるんだ ねえ

YOASOBI「ラブレター」-作成:Ayase

ここからは、「音楽」に対する「私」の想いがつづられていきます。

”どんな時もあなたの
言葉声を聴いてるだけで
力が湧いてくるんだ”

この歌詞から、「私」のそばにはいつも音楽があったことが示されています。

辛い時に、嬉しい時に、悲しい時に、楽しい時に。私たちは、「音楽」に救われたり、時間を共有したりします。ここでは、そんな感情が描かれています。

そして、そういった感情が沸き起こる様子を、”言葉声を聴いてるだけで 力が湧いてくるんだ”という歌詞で表現しています。

また「聴く」という表現は、「聞く」に比べて「集中して聞く」という意味を持ちます。もっぱら、音楽に対して使うこの表現ですね。

こういった細かいところからも、改めて想いを伝える対象が「音楽」であることがわかりますね。

笑っていたいよどんな時も
でも辛い暗い痛い日もある けどね
あなたに触れるだけで気付けば
この世界が色鮮やかになる
花が咲くように

YOASOBI「ラブレター」-作成:Ayase

ここでは、主に辛い時に助けられる場合の「音楽」についての想いがつづられています。

どんな時も笑って過ごしたいけれど、時には辛いこともあります。そんな時、「私」を助けてくれるものが「音楽」なのです。

そんな様子が表現されているのが、”あなたに触れるだけで気付けば この世界が色鮮やかになる 花が咲くように”という歌詞です。

笑って泣いてどんな時だって
選んでいいんだいつでも自由に
今日はどんなあなたに出会えるかな
この世界が終わるその日まで
鳴り続けていて
Ah-ah

YOASOBI「ラブレター」-作成:Ayase

ここでは、「音楽」ならではの「いつでも気分に合わせて選ぶことができる」という特性について歌われています。

それが表現されているのが、”笑って泣いてどんな時だって 選んでいいんだいつでも自由に”という歌詞です。

この世は「音楽」であふれており、だからこそ、毎日どんな「音楽」に出会えるのか「私」は楽しみなのです。

”この世界が終わるその日まで
鳴り続けていて”

そして、そんな「音楽」に触れることができる喜びがいつまでも続きますように。

これらの歌詞は、音楽に対する真っすぐな気持ちが歌われています。

2番

いつもあなたのことを求めちゃうんだ
(踊り出したくなる時も)
(爆発しちゃいそうな時も)
救われてきたんだ支えられてきたんだ
(心が動かされるんです)
(心が満たされていくんです)
ねえもっと触れていたいよ
ずっとそばにいてほしいよ
いつまでも
大好きなあなたが
響いていますように

YOASOBI「ラブレター」-作成:Ayase
音楽を聴く女の子

ここでは、どんな時でも「私」が「音楽」を強く求めている様子が描かれています。

”(踊り出したくなる時も)”=嬉しい時にも、”(爆発しちゃいそうな時も)”=悲しい時、怒り出したいときにも、「私」は音楽を求めます。

いつも救われて、支えられてきた「音楽」への強い思いが伝わってきます。

”いつまでも
大好きなあなたが
響いていますように”

だからこそ、「音楽」を失うことは考えたくも無く、「私」は”いつまでも 大好きなあなたが 響いていますように”と願うのです。

こういったところからも、「音楽」に対する「私」の想いの大きさが伝わってきます。

2番以降

こんなたくさんの気持ち
ぎゅっと詰め込んだ想い
ちゃんと伝えられたかな
ちょっとだけ不安だけど
きっと届いてくれたよね
全部私の素直な言葉だから
もしもあなたに出会えてなかったらなんて
思うだけで怖いほど大好きなんだ Ah
受け取ってどうか私の想いを さあ

YOASOBI「ラブレター」-作成:Ayase

ここでは、手紙の後半につづられるような「私」の想いが歌われています。

”こんなたくさんの気持ち
ぎゅっと詰め込んだ想い
ちゃんと伝えられたかな”

ここまでの分析からもわかるとおり、「私」の「音楽」に対する想いは相当大きなものです。

伝わりきったか不安になるほどの大きな思いですが、それこそ”全部私の素直な言葉”なのです。

それほど愛する「音楽」だからこそ、”もしもあなたに出会えてなかったらなんて 思うだけで怖いほど大好きなんだ”と、まるで人に感じるような想いを「私」は抱きます。

笑って泣いてそんな毎日を
歩いていくんだいつもいつまでも
辛い暗い痛いことも沢山あるけど
この世界はいつでもどこでも音楽で溢れてる
目の前のことも将来のことも
不安になってどうしたらいいの
分かんなくって迷うこともあるけど
そんな時もきっとあなたがいてくれれば
前を向けるんだ

YOASOBI「ラブレター」-作成:Ayase

ここでは、これからも「音楽」と歩んでいきたいという、「私」の想いがつづられています。

”笑って泣いてそんな毎日を
歩いていくんだいつもいつまでも”

これから先の未来、楽しいことも辛いことも、たくさんあるはずです。

どんなに辛くても懸命に生きていくという決意表明のようなものを「音楽」にしています。

”この世界はいつでもどこでも音楽で溢れてる”からこそ、どんなことも乗り越えてゆけるのです。

”目の前のことも将来のことも
不安になってどうしたらいいの”

この歌詞にもあるように、時には迷うこともあるでしょう。

そんな時にも、「音楽」はすぐそばにあります。だからこそ「私」は、前を向いて歩いてゆくのです。

これらの歌詞は、先ほどまでの「これまで感じてきた音楽への想い」とは少し違い、「これから先の未来と共にある音楽についての想い」が歌われています。

だからこそ先の歌詞で、”この世界が終わるその日まで 鳴り続けていて””大好きなあなたが 響いていますように”というふうに言っていたのかもしれません。

「私」はこれからもずっと、「音楽」と共に生きていくのです。

こんな気持ちになるのは
こんな想いができるのは
きっと音楽だけなんだ
(変わりなんて一つもないんです)
どうか1000年先も
どうか鳴りやまないで Ah
いつも本当にありがとう

YOASOBI「ラブレター」-作成:Ayase

ここでは、いよいよ終わる手紙の最後を締めくくるような表現が用いられています。

いつまでも変わらず、「私」をこんな気持ちにさせるのは「音楽」だけです。だからこそ、未来永劫鳴りやまないでほしいと「私」は想います。

本楽曲では、「音楽」に対する感謝の気持ちが繰り返し歌われていたことは、歌詞を見れば明確です。

しかし、感謝の言葉、つまり「ありがとう」という言葉が出てくるのはこの部分だけであり、楽曲全体を締めくくる言葉として「ありがとう」という言葉が使われています。

「ありがとう」という言葉は、この手紙全体を象徴する、最も大きな思いです。

だからこそ1度しかこの言葉を使わず、歌詞の最後にもってきたのではないでしょうか。

このように、全体を締めくくる感謝の気持ちを最後に持ってくる表現は、手紙をモチーフとした本楽曲ならではと言えます。

他の楽曲でいえば、「ありがとう」という歌詞をサビの最後などに繰り返し使うものもありそうですが、あえてそうしなかったところに、製作者の工夫が見られます。

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考察

「手紙」で伝えるまっすぐな「音楽」への気持ち

手紙と羽ペン

本楽曲が「音楽」へ伝えるメッセージは、ずっと一貫したものです。歌詞の最後にあった「ありがとう」という言葉に、すべてが詰まっています。

つまり本楽曲は、「私」が「音楽」に感謝する理由が大量に並べられた楽曲、ということになります。

多くの楽曲は、歌詞によってストーリーが変化したり、心情の変化があったりします。

しかし本楽曲では、同じ事柄についてずっと語られてゆきます。

まさに、「推し」に対する熱い思いを羅列するかの如く、「音楽」に対する気持ちがあふれているのです。

この説明だけ聞くと、一見変化のない楽曲のように聞こえるかもしれません。そんな中本楽曲の魅力を支えている要素こそ、「本楽曲が音楽に向けた感謝の手紙である」という前提です。

溢れだす想いを思わずつづってしまったかのような衝動性。書いても書き尽くせないという熱い思い。

手紙であるという前提だからこそ、本楽曲の歌詞は魅力的であると言えるのではないでしょうか。

また、使われている表現はどれもわかりやすく、ダイレクトにメッセージが伝わってきます。

言い換えれば、良い意味で奇をてらった表現を使っていない、ということです。

まさに、溢れだす想いをそのまま歌にしたような魅力が、本楽曲にはあります。

あえて複雑な表現を使わないという工夫は、一歩間違えれば安っぽく聴かせてしまうものですが、本楽曲は見事にまとめ上げています。

まさに、「工夫をしない工夫」です。(工夫をしていないという批判ではなく、良い意味でシンプルさを追求しているという意味です。)

こういった要素から、本楽曲の伝えたいところが素直で、まっすぐ聴き手に伝わるのではないでしょうか。

「ありがとう」という純粋な気持ち

Thankyouのイラスト

本楽曲における「音楽」は、厳密に言えば擬人化されていると言えます。

無形物であるはずの「音楽」に対して感謝の手紙を書いたり、「音楽」のことを「あなた」と呼んだり、「出会う」と表現したりしています。

しかしながら、本楽曲は「音楽」の音楽らしさを一切失わせることなく、純粋に「音楽」そのものに手紙を書くという行動を違和感なく表現しています。

実のところ、無形物や、道具などの非生物に対する感謝の気持ちというものは、多くの人が感じる感情であるのかもしれません。

仕事道具に関する感謝、周辺環境に対する感謝。「ありがとう」の気持ちは、対象を選ばない、非常に純粋な気持ちであると言えます。

本楽曲においても、「音楽に感謝の手紙を書いたよ!」と一部だけを切り取って伝えたら、なかなか理解は難しいかもしれません。

そこにかかる純粋でまっすぐな気持ちに触れることで、手紙を書いた人物の強い想いが伝わった結果、人は感動すると言えます。

そして、多くの人はそんな「ありがとう」の気持ちを伝えられなかったり、忘れてしまったりしがちです。

「音楽」についても、多くの人が救われ、感謝の念を覚えたことがあるのではないでしょうか。

しかし、そういった気持ちを表現することは多くありません。本楽曲でも歌われたように、どこか「恥ずかしい」のかもしれません。

我々がどこかで感じているような感謝の気持ちを、本楽曲は体現しています。

だからこそ本楽曲の「音楽」の姿が確立され、「ありがとう」と伝える必然性が持たされているのではないでしょうか。

筆者の感想

ストーリー性の高い楽曲のイメージがあるYOASOBIですが、本楽曲は単一のメッセージを音楽にするという、まさに真逆の作用が見られました。

リスナーの手紙を楽曲にするという試みは非常に面白く、素直な感情がダイレクトに伝わってきました。複雑で語彙力の高い表現がたくさん入った楽曲も好きですが、こういった「素直に感動できる楽曲の良さ」というものも改めて感じることができました。

にしても、原作者の「はつねさん」の感性には驚かされますね。音楽に手紙を書くという発想。当時小学校6年生とは思えません。

むしろ、それほどまでに純粋な思いが、原作の手紙の作成に至ったのかもしれませんね。

筆者も初心と感謝の気持ちを忘れず、これからも頑張っていこうと思います!

それでは、まずは読者の皆様へ…

最後までご覧いただき、本当にありがとうございました!

 

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