こんにちは!
今日は、Saucy Dogの「魔法にかけられて」を徹底的に考察し、歌詞の意味を解説します!
素朴な2人の恋、ありふれた日常に秘められた魔法とは?
会えない間に膨らんでいく不安やドキドキに、胸がきゅんとなる。
そんな本楽曲の魅力に、歌詞分析の観点から迫っていきます!
『恋する♡週末ホームステイ 2022春』の主題歌
本楽曲は、ABEMAのABEMA SPECIALチャンネルにて配信されている『恋する♡週末ホームステイ 2022春』の主題歌として書き下ろされました。
同番組は、別々の場所に住む高校生の男女が、週末での1泊2日という限られた時間の中でデートを重ね、数週間にわたる「週末ホームステイ」を繰り返す中で芽生える恋心を配信する恋愛リアリティーショーです。
以下に、本楽曲についてSaucy Dogの石原慎也(Vo, G)がしたコメントについて書かれている記事を引用します。
Saucy Dogが書き下ろした主題歌「魔法にかけられて」について、石原慎也(Vo, G)は「ちょうど少し前にコロナ禍で会えない日々が続いていたらというテーマで歌詞を考えていて、その直後に恋ステの話を頂き、書き途中の歌詞がすごく番組と合うな!と思ったのでそのまま『恋ステ』をイメージして書くことができました!」とコメント。「会えない間に膨らんでいく恋心やドキドキしたり不安になったり、そういう一つひとつの気持ちのかけらを紡いだ歌詞になってると思います!」と本楽曲に込めた思いを語っている。
https://amp.natalie.mu/music/news/468637 より引用
出会って、また離れてを繰り返す同番組の内容に、本楽曲はぴったりです。
この記事では、石原もコメントした「会えない間に膨らむ恋心、ドキドキ、不安」に注目しながら、歌詞の分析を進めていきたいと思います!
歌詞の意味
1番
逢えない日はね僕ら
Saucy Dog「魔法にかけられて」-作成:石原慎也
テレビ電話で夜な夜な
君が眠れるその時まで
話題が尽きてしまえば今日は
無言で良いさ 夜が更けてく

ここでは、会えない時間に募っていく恋心について描かれています。
会えない日でも、テレビ電話で夜遅くまで話をする2人。
いわゆる、寝落ち電話というやつですね。
歌詞の始まりは、2人が一日の終わりに寝落ち電話をするシーンが描かれています。
“君が眠れるその時まで”
この歌詞からは、「君が寝るまでは寝ないでおこう」という「僕」の気持ちが表れています。
会えないという寂しさの中にあるからこそ、少しでも長く「君」とつながっていたいという気持ちの表れかもしれませんね。
“話題が尽きてしまえば今日は
無言で良いさ 夜が更けてく”
そして、この通話の目的は、何か話したいことがある、というものではありません。
とにかく、何らかの形で時間を共有したい。
別に話すことはなくても、何となく電話でつながっていたいのです。
家でダラダラしながら、ぽつりぽつりとした会話をする2人の姿が目に浮かびます。
これらの歌詞には、特別なことなどない、素朴でありふれた日常の中にある恋心が描かれています。
君の話を聞こうか
Saucy Dog「魔法にかけられて」-作成:石原慎也
あの嫌いなやつの話
意外と毒舌なとこも好きだよ
「なにそれ褒めてるの?」
って笑い合える事が
僕らにとって良かったりする
ここでは、電話越しにした会話の内容が描かれています。
この会話、正直なところ内容がうすいです。
一見、取り立てて歌詞にするまでもないような会話。
しかし、先ほどの歌詞でも見られたように、「僕」はこんなありふれた日常の中に幸せを感じています。
ここにも、素朴な2人の愛情が見えますね。
“「なにそれ褒めてるの?」
って笑い合える事が
僕らにとって良かったりする”
内容の薄い、いってしまえばどうってことない会話。
そんな会話で笑いあえていることこそ、2人にとって幸せなのだと「僕」は思います。
今日がどんな嫌な日でも忘れてしまうよ
Saucy Dog「魔法にかけられて」-作成:石原慎也
君の魔法にかけられて
涙が出るほどしょうもない
どうしようもないふたりを
くだらない話で溢れさせて
ここでは、「僕」にとって「君」が大切な存在であることが描かれています。
“今日がどんな嫌な日でも忘れてしまうよ
君の魔法にかけられて”
辛いこと、嫌なこともある毎日。
そんな日々でも、「君」の声を聴くだけで、辛い気持ちも薄れていきます。
「僕」にとって、「君」という存在そのものが魔法のようです。
“涙が出るほどしょうもない
どうしようもないふたりを”
先ほどの歌詞からもわかるように、2人はどこも特別なところのない、いたって普通のカップルです。
特別にロマンチックな夜を過ごすでも、劇的で熱い愛情をはぐくむわけでもない。
くだらない話をして笑い合ってるような2人です。
そんな突出したところのない2人が織りなす物語こそ、本楽曲の描く世界観なのです。
不器用なふたりしょうがないよね
Saucy Dog「魔法にかけられて」-作成:石原慎也
言葉じゃなくたって分かっていれば
それで良いや
敢えて言うならふざけながら自然に
それでも少し照れくさいけど
愛してるよ、おやすみ
ここでは、2人の愛情の深さが描かれています。
不器用な2人は、なかなか言葉にして相手に気持ちを伝えることができません。
“言葉じゃなくたって分かっていれば
それで良いや”
それでも、2人は強い想いでつながっています。
言葉にしなくても、一緒に過ごすだけで2人は幸せなのです。
またこの歌詞は、“話題が尽きてしまえば今日は 無言で良いさ 夜が更けてく”という歌詞をよく表しています。
たとえ何か話題がなくても、電話がつながっているだけで満足な2人。
先ほどの寝落ち電話の流れは、2人の恋愛観を表した出来事であったと言えますね。
“敢えて言うならふざけながら自然に
それでも少し照れくさいけど
愛してるよ、おやすみ”
不器用な「僕」が、ふざけながら言った精いっぱいの一言。
「愛してる」なんて本音のはずなのに、恥ずかしさからふざけて言ってしまうところが何ともいじらしく、思わずきゅんとしてしまいます。
2番
痺れた右手そっとうなじ抜け出して
Saucy Dog「魔法にかけられて」-作成:石原慎也
ちょっともうお昼過ぎだよ、
まだ寝てるの?
僕らお家で時間潰しながら
のらりくらりと また繰り返し

ここでは1番と違い、2人が実際に一緒にいる時のことが描かれています。
“痺れた右手そっとうなじ抜け出して”
手がしびれているということは、腕枕なんかしながら2人は眠っていたのでしょう。
そこから「君」がすっと抜け出して、「まだ寝てるの?」なんて声をかけてきます。
平凡ながらも、幸せを感じるような朝が描かれている歌詞です。
“僕らお家で時間潰しながら
のらりくらりと また繰り返し”
一緒にいる時も2人は、特別なことはしません。
ありふれた日常の中にお互いがいるだけで、2人は幸せなのです。
これらの歌詞には、特別なことをしなくても、一緒にいるだけで幸せを感じている2人の姿が描かれています。
凍りつくような喧嘩も
Saucy Dog「魔法にかけられて」-作成:石原慎也
数えきれない程したって
真剣な顔に堪えきれずに
吹き出した君に甘えてしまう
それで良いのか分からぬまま
ここでは、時々不安になってしまう「僕」の気持ちが描かれています。
“真剣な顔に堪えきれずに
吹き出した君に甘えてしまう”
2人は喧嘩をした時、大抵は「君」の方から仲直りのきっかけをくれるようです。
「僕」はそれでいいのだろうかと思いながらも、いつも「君」に甘えてしまいます。
ここでは「僕」始点しか描かれていませんが、きっと「君」にも「これでいいのだろうか?」と感じている不安はあるでしょう。
会えないときに募っていく、相手を失いたくないと思うからこそ生まれる不安がこれらの歌詞に描かれています。
2番以降
高級な店じゃなくても
Saucy Dog「魔法にかけられて」-作成:石原慎也
綺麗な夜景があっても
「ふたりじゃなきゃダメ。」
僕もそう分かっているけど
見栄っ張り 意地っ張りが僕の悪い癖
ここでは、一緒にいることこそが2人にとって大切である、という「僕」の想いが描かれています。
“高級な店じゃなくても
綺麗な夜景があっても”
直後の歌詞に「」が付いていることから、これは「君」の言った言葉ではないかと推測できます。
高級な店だとしてもそうでなくても、綺麗な夜景があってもなくても、いかなる場合においても最優先は「2人でいること」です。
何気ない日常も、ちょっと背伸びしていったおしゃれなレストランも、全部「君」といるからこそ価値があるのだと「君」は言います。
“僕もそう分かっているけど
見栄っ張り 意地っ張りが僕の悪い癖”
そんな「君」の言葉に賛同しながらも、不器用な「僕」は想いを口にすることができません。
これらの歌詞には、言葉にはできていなくても、お互いに「日常も非日常も、2人でいるからこそ楽しめる」と感じていることが表されています。
「大丈夫、大丈夫。」
Saucy Dog「魔法にかけられて」-作成:石原慎也
「大丈夫、大丈夫。」
いつも君は領いて笑う
「私ね、きっといつまでもね」
僕が不安な時はちゃんと
瞳を見て言ってくれる
いつもみたいにふざけながら普通に
それでも少し照れくさそうに
「愛してるよ、おやすみ。」
ここでは、「僕」の視点から見た「君」の姿が描かれています。
どんな時でも「君」は「大丈夫」と笑顔で「僕」を励まします。
“「私ね、きっといつまでもね」
僕が不安な時はちゃんと
瞳を見て言ってくれる”
この歌詞では、セリフの続きが明示されていません。
聴き手にゆだねられるところではありますが、きっと「僕」のことを想う愛の言葉でしょう。
時には、不安になってしまうこともある「僕」。
そんな「僕」を、「君」はやさしく、真剣なまなざしで包み込んでくれます。
“それでも少し照れくさそうに
「愛してるよ、おやすみ。」”
最後のセリフは、「君」の発した言葉でしょう。
「僕」がふざけながら言った言葉に、同じくふざけながら返した「君」。
お互いに同じ気持ちを持っていることが示されて、本楽曲は終了です。
考察
2人の素朴な愛情

本楽曲では、何ら特別なことのない2人の愛情が描かれていました。
ドラマチックであったり、非日常的であったりということはありません。
取り立てるまでもないような、ごくありふれた日常。それこそが、本楽曲で描かれた2人の愛情なのです。
そして、そんな日常にまでも愛おしさを感じさせる「君」という存在のことを、本楽曲では「魔法」と表しているのではないでしょうか。
本楽曲の歌詞は、非常に共感性が高いです。
それこそ、愛する人がいる誰しもが共感してしまうような歌詞になっています。
本楽曲の歌詞にそっていうなら、「しょうもない」日常。その中に感じる「好き」という気持ちは、他のロマンティックな恋愛物語と比べた時に、より我々に身近であると言えます。
恋人がいる、あるいはいた人なら誰しも経験したことがあるような出来事や気持ち。
本楽曲ではそのような共感性の高い歌詞がつづられており、これが聴く人を魅了するのではないでしょうか。
会えない時間にこそ「愛」を感じる
本楽曲のテーマであった「会えない間に膨らむ恋心、ドキドキ、不安」。
これは、会えないからこそ膨らんでいく思いであると考えられます。
本楽曲でも2人は、実際に会ってみたらだらだら過ごしたり、電話をしていてもくだらない話をしています。
会っている間は気が付かなかったり、恥ずかしかったりして言葉にできない気持ち。
本楽曲では、会えない時間だからこそ感じる気持ちが表現されていました。
そして、2人が電話越しに言った「愛してるよ、おやすみ」という言葉。
いざ別れの時が来ると、やはりお互いに寂しさのようなものを予感するのでしょう。
恥ずかしそうにしながらも、精一杯今自分ができる愛情表現で、お互いに別れを告げています。
会っている間はくだらない話をしているのに、いざ離れる時が来ると思わず口にしてしまう愛の言葉。
会えない時間の恋心、不安があるからこそ、別れの言葉に焦点が当てられています。
これが何ともかわいらしく、本楽曲のテーマをよく表している、と言えるのではないでしょうか。
筆者の感想
運命的な恋、ドラマチックな恋。
そういうのも人は大好きですが、本楽曲のように何でもない日常に感じる恋心というのもまた、心惹かれますね。
多くの人が共感できる、飾り気のない素朴な恋心。
映画みたいにドラマチックではないけれど、確かにそこにある深い愛情を感じることができる楽曲でした。
この記事の感想やご意見など、是非コメント欄までお待ちしております!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
それでは(@^^)/~~~
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