こんにちは!
今日は、Vaundyの「恋風邪にのせて」を徹底的に考察し、歌詞の意味を解説します!
「くだらない」と表現される恋愛、それでも人は、愛を捨てられない。
そんな愛を「風邪」に例えて表現した楽曲です。
同じ歌詞が繰り返されるサビに込められた、異なった意味は必見。
それでは、いってみましょう!
『彼とオオカミちゃんには騙されない』の主題歌
本楽曲は、ABEMA番組『彼とオオカミちゃんには騙されない』の主題歌として起用されています。
大人気の「オオカミシリーズ」の新作である同作品は、以下のような概要になっています。
最高の恋をするために集まった10人の男女。
しかしその中には、恋をしようとしない、他のメンバーを欺く存在である「嘘つきオオカミちゃん」が1人以上潜んでいます。
メンバーはオオカミちゃんの誘惑や嘘に惑わされず、本物の恋をつかみ取ることができるのか?
男女の恋愛模様に「オオカミ」というゲーム性を加えた、恋愛リアリティショーである。
男女のリアルな恋模様が描かれつつも、「オオカミ」というエッセンスが加えられている同作品。
恋愛の素敵な面も残酷な面も、いろんな意味で「リアル」が描かれた番組であると言えます。
主題歌である本楽曲でも、リアルな恋愛模様の一面を感じることができます。
それでは早速、歌詞の意味を見ていきましょう!
歌詞の意味
1番
変わりゆく景色
窓越しに覗いた
懐かしい風が呼んできた
どっかで 見えない
互いを互いに 合図してそっと二人
Vaundy「恋風邪にのせて」-作成:Vaundy
目をそらして気付いたの

1番の歌詞では、恋の負の側面について描かれています。
“変わりゆく景色”という歌詞からは、時間の流れを感じることができます。
恋をする中で、初めて会った時に抱いた感情はどんどんと移り変わっていきます。
街の景色が変わっていく様子に、「僕たち」の関係も変わっていった様子が重なります。
“窓越しに覗いた
懐かしい風が呼んできた”
この歌詞では、どんな窓のことを指しているのか、明記されていません。
でも、何となく窓って、風が吹き込んできて、物思いにふけるようなイメージを持ちますよね。
学校の窓、電車の窓、家の窓。
そこから流れ込む風と香りに、「僕」はいろいろと考えてしまいます。
ここでは、あえてどんな窓か明言しないことで、聴き手に想像させたり、聴き手自身の経験と歌詞を結び付けさせるような仕掛けが施されていると考えられます。
“どっかで 見えない
互いを互いに 合図して”
この歌詞で描かれているのは、そんな「風」が運んできた思いのことです。
時間の経過とともに、どちらが言うでもなくお互いに感じた思い。
「愛ってくだらない」
お互いから目をそらすことで、「僕たち」は恋愛の本質に気が付いてしまいます。
次の歌詞では、そんな「くだらない」という気持ちについて詳細が描かれています。
くだらない愛で
Vaundy「恋風邪にのせて」-作成:Vaundy
僕たちはいつも笑っている
思い出す日々が
僕たちを悲しませるの ねえ
くだらない愛で
僕たちはいつも笑っていた
繰り返す日々が
僕たちを振り向かせるの ねえ
そっと二人
魔法を唱えるの
恋風邪にのせて
ここでは、「僕」が思う愛の本質について描かれています。
先ほども述べた前提として、「僕」は愛の本質を「くだらない」と捉えています。
後の歌詞を読んでいくと、なぜ「僕」がこのように言っているのかがわかります。
“思い出す日々が
僕たちを悲しませるの”
恋愛というものは、必ずと言っていいほど辛い思いが付きまといます。
喧嘩したり、浮気されたり、会えない時間が寂しかったり。
人によって悲しみの形は様々ですが、「恋愛をしたからこその悲しみ」がそこには必ずあります。
そんなくだらなさに、「僕たち」は思わず笑ってしまうのです。
そして、「僕たち」に愛のくだらなさを気づかせた存在こそ、“繰り返す日々”なのです。
“魔法を唱えるの
恋風邪にのせて”
恋をすることで生まれる苦しみ、まさに恋とは「風邪」のような存在です。
ここのサビで唱える魔法は、「別れよう」とか、「距離を置こう」といったマイナスな言葉であることが予測されます。
この魔法については、2番で変化が見られるので要注目です。
2番
混ざりゆく景色
雨越しに覗いた
暖かい風が呼んできた
どっかで 消えない
互いを互いに 合図してそっと二人
Vaundy「恋風邪にのせて」-作成:Vaundy
目を凝らして気付いたの

2番では、恋から逃れることの難しさが描かれています。
恋をすることで、悲しみも喜びも、様々な思いが混ざり合っていきます。
1番では恋愛の負の側面について描かれたわけですが、2番からはそんな恋心を捨てられない「僕」の気持ちが描かれていきます。
“雨越しに覗いた
暖かい風が呼んできた”
雨と温かいというところから、梅雨のじめっとしたイメージを待たせる歌詞です。
いろんな思いが混ざり合う中で生まれた、梅雨に例えられるようなマイナス感情。
そんな中でも、お互いの中にある、相手に対する思いは決して消えることがありません。
1番の歌詞と同じく、どちらが言うでもなく互いに芽生えた感情ですが、だいぶ1番とは質が違うことがわかります。
“そっと二人
目を凝らして気付いたの”
1番では、目をそらしたことで気が付いた、恋愛の負の側面。
ここでは、目を凝らしたからこそ見えた、「相手に対する想い」について描かれています。
そして、このような感情を前提としてサビの歌詞を見てみると、1番とはだいぶ違って見えてきます。
くだらない愛で
Vaundy「恋風邪にのせて」-作成:Vaundy
僕たちはいつも笑っている
思い出す日々が
僕たちを悲しませるの ねえ
くだらない愛で
僕たちはいつも笑っていた
繰り返す日々が
僕たちを振り向かせるの
ねえそっと2人
魔法を唱えるの
1番と同じく、やはり恋愛はくだらないものであると「僕」は捉えています。
恋愛から生まれる苦しみ、これは紛れもない事実として今もそこにあります。
しかし、先ほどの歌詞にも描かれたように、今「僕」はそんなくだらない愛を求めているのです。
“僕たちはいつも笑っていた
繰り返す日々が
僕たちを振り向かせるの”
上記のような視点で見ると、この歌詞の印象がだいぶ変わってきます。
“笑っていた”という歌詞は、「確かにくだらない愛だ、しかしそこには笑顔があった」といった意味合いに見えてきます。
“繰り返す日々”が振り返らせたのは、1番のようなマイナスの感情ではなく、「相手への好きだという想い」に感じられます。
このような視点で見ると、ここでの魔法とは、「好きだ」とか「愛してる」といった類の言葉であると解釈できます。
2番以降
言葉が深める惑星の夜に今
Vaundy「恋風邪にのせて」-作成:Vaundy
あなたを探して 答えた
「心枯れるまで、共に笑っていよう」
やっと二人
目を合わせて気付いたの
ここでは、お互いの本当の想いに気が付く「僕」の様子が描かれています。
“言葉が深める惑星”とは、様々な言語によって、恋心を含めた様々な感情が入り乱れる惑星、すなわち地球のことを指した言葉であると考えられます。
“あなたを探して 答えた
「心枯れるまで、共に笑っていよう」”
そんな地球上のある日の夜の出来事、「僕」は自分の本当の気持ちに気が付きます。
そして、自分の気持ちを「あなた」に伝えに行ったのです。
“やっと二人
目を合わせて気付いたの”
これまでは、目をそらしたり、凝らしたり、お互いに独り歩きで進んできた感情。
ここでやっと、2人は目を合わせて同じ気持ちを共有することができたのです。
くだらない愛で
Vaundy「恋風邪にのせて」-作成:Vaundy
僕たちはいつも笑っている
思い出す日々が
僕たちを悲しませるの ねえ
くだらない愛で
僕たちはいつも笑っていた
繰り返す日々が
僕たちを振り向かせるの
ねえそっと二人
魔法を唱えるの
恋風邪にのせて
大まかな歌詞の意味自体は、2番のサビと同じです。
「愛なんかくだらない」この思いは変わらずです。
それでも「僕ら」が求めたのは、そんなくだらなくも、幸せな愛だったのです。
ここで唱えた魔法は、きっと“「心枯れるまで、共に笑っていよう」”だったことでしょう。
どこまでも滑稽で煩わしく、くだらない恋という存在。
それでも2人は、恋という風邪をこれからも大事にし続けていくことでしょう。
考察
同じ歌詞に込められた違う意味

本楽曲のサビは、ほぼすべてが同じ言葉で構成されています。
JPOP全体で見ても、こういった構成自体には違和感がありません。
しかし本楽曲で特徴的だったのは、それぞれのサビの歌詞に感じる印象が、楽曲を通して異なっている点です。
サビで描かれているのは、一貫して「愛はくだらない」という感情でした。
恋愛なんてするから悲しいし、辛い思いをする。この客観的な事実は変わりません。
1番では、ただただ「愛はくだらない」と捉えてしまっていて、ここだけ見ると「もう恋はしない」のようなテーマの楽曲にも思えます。
しかし、2番とそれ以降では、「くだらない、けれどもそんな愛を求める」といった感情が描かれていました。
「くだらない」という事実自体は変わらないのに、そこに対する感じ方が楽曲を通して変わってくる。
A、Bメロ歌詞によってこのような変化を生み出したことは、この楽曲最大の魅力であると感じました。
恋愛の本質とは?
本楽曲で描かれた恋愛の本質、「くだらない」。
確かに恋愛って正直しなくても生きていけるわけだし、辛いことはあるわお金はかかるわ。
生物学的な繁殖という目的から逸脱した、「くだらない」感情が現代の恋愛にはあります。
しかし、なぜか人は「愛」を求めてしまいます。
本楽曲でも描かれていたように、どれだけ「くだらない」と自覚していたとしても、です。
「くだらない」の中に、私たちは恋愛の喜びを見出すのかもしれません。
筆者の感想
伝えるメッセージ性、表現の技術、双方の面で完成された楽曲だと感じました。
Vaundyというと、少し懐かしみを感じるメロディーラインと最新技術の融合が魅力的なアーティストですが、歌詞の方もえげつないですね…
これで大学生、末恐ろしい・・
これからも注目していきたいアーティストです。
この記事の感想やご意見など、是非コメント欄までお待ちしております!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
それでは(@^^)/~~~
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