【歌詞の意味】Official髭男dism「Subtitle」のここがすごい!ドラマ『silent』の主題歌、タイトルに込められた意味が深い!

【歌詞の意味】Official髭男dism「Subtitle」のここがすごい!歌詞の意味

こんにちは!

今日は、Official髭男dismの「Subtitle」を徹底的に考察し、歌詞の意味を解説します!

subtitle(=字幕)と銘打たれた本楽曲。

「言葉」とはどういうものなのかに注目した、新たな冬の名曲です。

そんな本楽曲の魅力に、歌詞分析の観点から迫ります!

楽曲の魅力

✔「言葉」とは、どういうものなのか

✔「subtitle(=字幕)」に込められた意味

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ドラマ『silent』の主題歌

本楽曲は、フジテレビ系「木曜劇場」にて放送中のドラマ『silent』の主題歌として書き下ろされました。

まずは、ドラマのあらすじを見てみましょう。

ドラマ『silent』のあらすじ

高校時代に恋人として幸せな日々を過ごしていた紬と想。しかし、想が地元・群馬を離れ東京の大学へ進学したタイミングで、突然紬に別れを告げ、姿を消してしまいます。それから8年の月日が流れ、紬は幼なじみで想の友人でもあった湊斗(鈴鹿央士)とともに過ごし、将来を考えるように。そんなとき、紬は駅で偶然、想を見かけ…。

大切な人との別れを乗り越え、今を生きようとしている女性と、障がいを患ってしまったことで自分と向き合えず別れを選んでしまった青年。音のない世界で、もう一度“出会い直す”ことになった2人と、それを取り巻く人々が織り成す、せつなくも温かい物語が紡がれます。

https://www.fujitv-view.jp/article/post-687001/?amp より引用

受け入れがたい現実を突きつけられたと、大切な人を突然失った

2人の切なくも暖かい恋模様を描く本作品の世界観に、「subtitle」はぴったりの楽曲となっています。

本楽曲はドラマを視聴していなくても楽しむことができますが、ドラマを視聴したうえで本楽曲を聴くと、また違った発見ができるかもしれませんね!

歌詞の意味

1番

「凍りついた心には太陽を」
そして「僕が君にとってそのポジションを」
そんなだいぶ傲慢な思い込みを
拗らせてたんだよ
ごめんね 笑ってやって
火傷しそうなほどのポジティブの
冷たさと残酷さに気付いたんだよ
きっと君に渡したいものはもっと
ひんやり熱いもの

Official髭男dism「Subtitle」-作成:藤原聡
雪に覆われた地面と太陽

ここでは、明るくふるまうことの残酷な面について語られています。

心が冷たい時には、僕が温めてあげる。

かつてそんな言葉をかけていた「僕」ですが、そんな言葉は“傲慢”であったと今は感じています。

“火傷しそうなほどのポジティブの
冷たさと残酷さに気付いたんだよ”

火傷するほど熱い、ポジティブな言葉

実はそれらの言葉は、冷たく残酷なものだと「僕」は考えています。

確かに、本当に辛い時には、どんなに前向きな言葉をもらったとしても、素直に受け取ることはできません。

それこそドラマのように、耳が聞こえなくなった時などです。

いくら言葉で「大丈夫だよ」なんて言われても、何も大丈夫じゃない。

そんな、熱い言葉が持つ冷たさという矛盾を、「僕」は感じているのです。

“きっと君に渡したいものはもっと
ひんやり熱いもの”

だからこそ「僕」は、「君」に渡したいものは、冷たいけれど熱いものだと語ります。

一見、相反する要素を持ち合わせていますが、そんなものを「僕」は見つけたいと願っているのです。

綺麗事じゃないけど
綺麗で揺るぎないもの
うわべよりも胸の奥の奥を温めるもの
理想だけはあるけど心のどこ探しても
まるで見つからないんだよ
伝えたい伝わらないその不条理が今
キツく縛りつけるんだよ 臆病な僕の
この一挙手一投足を

Official髭男dism「Subtitle」-作成:藤原聡

ここでは、“ひんやり熱いもの”を探す「僕」の姿が描かれています。

“うわべよりも胸の奥の奥を温めるもの”

聞こえだけの良い、綺麗ごとの言葉たち。

それよりも「僕」は、「君」の心を温めるような、真に綺麗なものを見付けたいと考えます。

“理想だけはあるけど心のどこ探しても
まるで見つからないんだよ”

しかしそれは、“ひんやり熱いもの”のように、矛盾したものなのです。

精一杯考えてみても、簡単に見つかるものではありません。

伝えたいのに、伝わらない。

そんな事実が、「僕」の行動や言葉を制限します。

これらの歌詞から、渡したいものを見付けられない「僕」の苦悩が見て取れます。

言葉はまるで雪の結晶
君にプレゼントしたくても
夢中になればなるほどに
形は崩れ落ちて溶けていって
消えてしまうけど
でも僕が選ぶ言葉が
そこに託された想いが
君の胸を震わすのを諦められない
愛してるよりも愛が届くまで
もう少しだけ待ってて

Official髭男dism「Subtitle」-作成:藤原聡
雪の結晶

ここでは、「君」にかける言葉を見付けられない「僕」の気持ちが描かれています。

“言葉はまるで雪の結晶”

上記で描かれた歌詞のように、言葉というものはあまり意味を持ちません

どんなに綺麗に見える言葉だとしても、それが暖かすぎれば、雪の結晶のように溶けてなくなってしまいます。

だからこそ「僕」は、「君」に贈る言葉を選べないでいます。

伝えたい思いが大きいほどに、言葉にして伝えることができない

そんな不条理に、「僕」は思い悩みます。

“君の胸を震わすのを諦められない
愛してるよりも愛が届くまで”

それでも「僕」は、言葉に込めた想いが「君」に届くことを諦めません。

「愛してる」なんて言葉ではなく、「愛」自体を「君」に届けたいと「僕」は語ります。

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2番

薄着でただそばに立ってても
不必要に汗をかいてしまう僕なんかもう
どうしたって生温くて
君を痛めつけてしまうのだろう

Official髭男dism「Subtitle」-作成:藤原聡

ここでは、“ひんやり熱いもの”を体現する難しさが描かれています。

薄着で立つ、すなわち着飾らず、裸のままの自分でいようとしても、どうしても難しいものです。

心のどこかにある不安や緊張が、そうさせるのです。

“どうしたって生温くて
君を痛めつけてしまうのだろう”

中途半端に薄着になったとしても、生暖かい体温が雪の結晶=言葉を溶かしてしまいます。

かといって、言葉が溶けてしまわないように厚着をしたとしても、それは1番で描かれたように、見栄えが綺麗なだけです。

そして、こんな難しさが「君」を痛めつけていると「僕」は考えます。

「手のひらが熱いほど
心は冷たいんでしょう?」
冗談でもそんな残酷なこと言わないでよ
別に言えばいいけど全人生を賭けても
ちゃんと覆さしてよ
救いたい=救われたい このイコールが今
優しく剥がしていくんだよ
堅い理論武装プライドの過剰包装を

Official髭男dism「Subtitle」-作成:藤原聡

ここでは、矛盾を体現しようと奮闘する「僕」の姿が描かれています。

“「手のひらが熱いほど
心は冷たいんでしょう?」”

暖かいのに、雪を溶かしてしまわないようなものを見付けたい「僕」にとって、この言葉はとても残酷です。

言葉が熱くても、伝えたい気持ちが溶けてしまうという現実を、突きつけるようなセリフだからです。

だからこそ「僕」は、人生をかけてでもこの矛盾を体現してみせると心に誓います。

“救いたい=救われたい このイコールが今
優しく剥がしていくんだよ
堅い理論武装プライドの過剰包装を”

誰かを救いたいと思うのは、自分がそれによって救われたいという気持ちの裏返し。

この自覚が、過剰に生まれた論理やプライドを優しく取りはがしていきます。

救っているのだという傲慢を捨て去ることで、真の優しさが見えてくると「僕」は考えます。

正しさよりも優しさが欲しい
そしてそれを受け取れるのは
イルミネーションみたいな
不特定多数じゃなくてただ1人
君であってほしい

Official髭男dism「Subtitle」-作成:藤原聡

ここでは、真の優しさを「君」に届けたいと考える「僕」の気持ちが描かれています。

正しいかどうかなんて、どうでもいい。

「君」にとって優しい言葉を見付けたいんだ、と「僕」は考えます。

“イルミネーションみたいな
不特定多数じゃなくてただ1人
君であってほしい”

そしてその優しさは、イルミネーションのように、誰が見ても綺麗なものではありません。

「君」だけが美しい、優しいと感じれるようなもの。

そんなものを送りたいと「僕」は考えているのです。

2番以降

かけた言葉で割れたヒビを直そうとして
足しすぎた熱量で
引かれてしまったカーテン
そんな失敗作を重ねて重ねて重ねて
見つけたいんだいつか
最高の一言一句を

Official髭男dism「Subtitle」-作成:藤原聡

ここでは、失敗を重ねて、最高の言葉を見付けようとする「僕」の意思が描かれています。

“足しすぎた熱量で
引かれてしまったカーテン”

心のヒビを直そうとして足していった熱量。

1番にあった“「凍りついた心には太陽を」”のように、太陽ほどに暖かい言葉を送ったとしても、それが過剰であれば、眩しすぎて「君」はカーテンを引いてしまいます

そして「僕」は、そんな失敗を重ねることで、最高の言葉を見付けたいんだと語ります。

言葉はまるで雪の結晶
君にプレゼントしたとして
時間が経ってしまえば大抵
記憶から溢れ落ちて溶けていって
消えてしまうでも
絶えず僕らのストーリーに
添えられた字幕のように
思い返した時不意に目をやる時に
君の胸を震わすもの探し続けたい
愛してるよりも愛が届くまで
もう少しだけ待ってて

Official髭男dism「Subtitle」-作成:藤原聡
シャボン玉に映る雪の結晶

ここでは、「君」に送りたい言葉がどんなものであるのかが語られています。

“時間が経ってしまえば大抵
記憶から溢れ落ちて溶けていって
消えてしまうでも“

ここまでの歌詞にあったように、言葉の持つ力は思っている以上に小さいものです

どんなに気持ちがこもっていても、雪の結晶のようにすぐ解けてしまいます。

“絶えず僕らのストーリーに
添えられた字幕のように”

だからこそ「僕」は、言葉は自分たちの人生に添えられた“字幕”のような存在であってほしいと考えます。

これについて、詳しくは下の【考察:タイトルに込められた意味】で述べています。

「僕」の目指す言葉とは、綺麗で深いものではなくても、不意に思い返して心を震わせるようなものなのです。

言葉など何も欲しくないほど
悲しみに凍てつく夜でも
勝手に君のそばであれこれと考えてる
雪が溶けても残ってる

Official髭男dism「Subtitle」-作成:藤原聡

ここでは、どんな時でも「君」に送る言葉を考えている「僕」の様子が描かれています。

時には、言葉もいらないほどに深い悲しみに襲われることもあります。

そして「僕」は、そんなときに熱い言葉を贈る虚しさも理解しています。

それでも「僕」は、いつも考えています。

どんな言葉を贈るべきか。もっと言えば、「君」のために何ができるのか

“雪が溶けても残ってる”=言葉がなくても、残り続ける感情。

そんな思いをはせ、本楽曲は終了です。

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考察

対比表現と、「僕」が目指す矛盾

雪の上に置かれたコーヒーカップとお菓子

本楽曲では、熱い言葉が持つ矛盾に思い悩む「僕」の姿が描かれていました。

「僕」が最終的に目指したのは、“ひんやり熱いもの”です。

暖かくてかつ、気持ちを溶かしてしまわないもの。

一見矛盾しているものを、「僕」は体現しようと奮闘します。

そして、こういった矛盾を表すかのように、本楽曲は対比表現が多用されています。

“火傷しそうなほどのポジティブの
冷たさと残酷さに気付いたんだよ”
火傷冷たさ

“綺麗事じゃないけど
綺麗で揺るぎないもの”

綺麗事(真の意味で)綺麗なもの

他にも、“伝えたい伝わらない””救いたい=救われたい“など、単純に反対の意味を持つ言葉も使われています。

「僕」の思う、本当の気持ちだとか、真の優しさというものは、そのような矛盾をはらんだ、複雑なものなのではないでしょうか。

だからこそ、それを言葉で表すのは難しく、なかなか伝わりません。

「愛している」なんて言葉では、本当の愛を伝えることはできないのです。

そして「僕」は、「君」のことを大切に思っているからこそ、本当の愛を伝えたいのでしょう。

矛盾に挑もうとする「僕」の姿から、「君」への想いの大きさが伝わってきます。

タイトルに込められた意味

タイトルでもあるsubtitle=字幕は、「僕」が思う言葉のあるべき姿を表します。

“絶えず僕らのストーリーに
添えられた字幕のように”

この歌詞が表すように、字幕のように添えられる言葉こそ、「僕」が送りたい言葉です。

歌詞全体にあったように、言葉とはすぐに消えてしまう上、気持ちを伝えられない不完全なものです。

私達はどうしても、相手に気持ちを伝えたいとき、言葉に頼りがちです。

しかし、私たちが思う以上に、言葉には力がありません。

言葉が主体なのではなく、人生で起こる様々な出来事のかたわらに、言葉が存在する。

人生のストーリーと言葉の関係は、映画でいう映像と字幕のような関係であるべきだと「僕」は捉えているのです。

本楽曲は、言葉は無駄なものである、と言っているわけではありません。

相手に気持ちを伝えるということは、状況や行動など様々な要因が重なり合って起こるべきものであり、言葉はつの要因でしかない。

だからこそ、表面上の言葉にすべてを頼るのではなく、字幕として添えてある、それでも思い返したときに最高の言葉である。

そういったものを目指せべきではないか、と本楽曲は伝えているのではないでしょうか。

ドラマ世界とのつながり

ドラマ世界と重ねて考えるなら、本楽曲の視点人物は、想ではないかと筆者は予想します。

本楽曲で描かれた、言葉の持つ意味。

これについて考えるきっかけとなったのは、想の耳が聴こえなくなったことでしょう。

耳が聴こえないことで、想は会話という、言葉が使われる代表的なツールから離れることとなりました。

その中で想は、本当に辛い時に、表面上の言葉などかえって冷たいこと、言葉で気持ちを伝えることの難しさを感じたことでしょう。

逆に、言葉がなくても伝わる気持ち、優しさ、暖かさも、たくさん感じたはずです。

本楽曲の内容は、耳が聴こえなくなったことで気付いた想の考えであるととらえると、楽曲単体で聴くのとはまた違った深みが生まれます。

本楽曲は、作詞者である藤原聡が、想の気持ちになって言葉というものに思いを巡らせた楽曲である、と考えることができるのではないでしょうか。

筆者の感想

神曲、来ました。

情景が綺麗に描かれており、歌詞ひとつひとつに意味が込められています。

そしてそれが、切なさと美しさを生み出しています。

この楽曲の言うように、文章ではこの楽曲に感じた魅力を伝えきれないところが惜しいところです…

ドラマの主題歌としても、冬の新たな定番ソングとしても、後世に語り継がれるような作品であると感じました。

この記事の感想やご意見など、是非コメント欄までお待ちしております!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
それでは(@^^)/~~~

 

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